私たちは、貴社のブランドが輝き、測定可能な事業成果をもたらす、高性能のマーケティング機能と自律成長組織の構築を専門としています。
はじめに:なぜ、事業部間の連携はうまくいかないのでしょうか?
こんにちは、CMO代行と組織コーチングで中小企業の成長を支援している上村です。
「うちの会社は、どうも事業部間の連携がうまくいかないんだよなぁ」 「営業とマーケティングが対立していて、なかなか話が進まない」 「部署ごとの目標がバラバラで、全社的な目標達成がおざなりになっている」
経営者の皆さんから、このようなお悩みをよく耳にします。一生懸命頑張っているのに、思うような成果が出ない。その原因は、もしかすると事業部間の「壁」にあるのかもしれません。
この「壁」が厚くなると、情報共有が滞り、無駄な業務が増え、結果として売上は伸び悩み、従業員のモチベーションも下がってしまいます。さらに、お客様にとっても一貫したサービスや体験を提供できなくなり、会社の評判にも影響します。この状況を放置しておくと、せっかく素晴らしい商品やサービスがあっても、その価値を最大限に活かせないという非常にもったいない事態に陥ってしまいます。
今回は、この根深い事業部間の連携不足について、その根本的な原因から、CMO代行と組織コーチングの視点を取り入れた具体的な解決策まで、じっくりと解説していきます。
▼壁打ちMTGを希望する

部署間の連携不足が組織に与える深刻な影響
事業部間の連携不足は、目に見えないところで会社の成長を阻害しています。その影響は多岐にわたりますが、特に深刻なものをいくつか挙げてみましょう。
まず、売上の停滞です。営業部とマーケティング部がいい例ですね。マーケティング部が苦労して獲得した見込み客の情報が、営業部にきちんと共有されない。その結果、営業部はお客様の状況を十分に把握できず、的外れな提案をしてしまう。これでは、せっかくの機会を活かせず、成約率も上がりません。逆に、営業部が現場で掴んだお客様の生の声が、商品開発やマーケティング戦略に活かされなければ、いつまでたってもお客様が本当に求める商品を作ることができません。このように、部署間の情報の分断は、売上の機会損失に直結するのです。
次に、従業員のモチベーション低下です。自分の仕事が他部署にどう繋がっているか見えないと、やりがいを感じにくくなります。「どうせ頑張っても評価されない」「他部署が非協力的だから」といった不満が募り、組織全体の士気も下がってしまいます。特に、若手社員や中堅社員が、組織の不協和音を感じて離職してしまうケースも少なくありません。社員が「この会社の一員として、お客様に価値を届けたい」という共通の目標を持てないことが、優秀な人材の流出につながる大きな要因となるのです。
事業部間の連携不足を引き起こす「3つの壁」とは
事業部間の連携を阻む「壁」は、大きく分けて3つあると考えています。この「3つの壁」を理解することが、解決の第一歩となります。
1つ目は「情報の壁」です。これは、情報が特定の部署や個人に留まり、必要な部署にタイムリーに共有されない状態を指します。例えば、営業部が新しい市場のトレンドをキャッチしても、それがマーケティング部や商品開発部に伝わらず、戦略に活かせないといったケースです。情報の共有が不足すると、それぞれの部署がバラバラの方向を向いてしまい、全体として最適ではない意思決定をしてしまいます。結果として、無駄な作業が発生したり、お客様への対応に一貫性がなくなったりしてしまいます。
2つ目は「目標の壁」です。これは、部署ごとに目標が異なり、全社的な目標との間に乖離がある状態です。例えば、営業部は売上最大化、マーケティング部は見込み客数の最大化、カスタマーサポート部は顧客満足度の最大化といった具合に、それぞれが自分の部署のKPIだけを追いかけると、部署間で協力するインセンティブが働きにくくなります。全社の目標という大きな旗が掲げられていない、あるいはその旗が部署ごとに見え方が異なっている状態です。これでは、お互いに「なぜ、協力する必要があるのか?」という疑問が生まれてしまい、協調性が損なわれてしまいます。
3つ目は「文化・思考の壁」です。これは、部署ごとの専門性や文化の違いから生まれるものです。営業部は「とにかく現場で動くこと」を重視し、マーケティング部は「データを分析すること」を重視するといったように、仕事への価値観や考え方が異なると、お互いを理解するのが難しくなります。さらに、それぞれの部署が持つ専門用語や常識が、他部署の人間にとっては理解しにくいということも、コミュニケーションを妨げる要因になります。この壁は、目に見えにくいため、最も根深い課題となることが多いです。
CMO代行が果たす「事業部間の翻訳者」としての役割
事業部間の連携不足を解消するために、CMO代行がどのような役割を果たすか、具体的にご説明します。
CMO代行は、特定の部署に縛られない「全社的な視点」を持って、各部署の状況や課題を客観的に把握します。この立ち位置こそが、事業部間の「翻訳者」としての役割を可能にします。たとえば、営業部の「もっと質の高い見込み客が欲しい」という要望と、マーケティング部の「もっと営業にしっかりフォローしてほしい」という不満。この二つの間に立って、お互いの言葉を「共通の目標」という視点で翻訳し、具体的な行動へと落とし込んでいきます。
具体的なアクションとしては、まず各部署の責任者と丁寧に壁打ちセッションを行います。そこで、それぞれの部署が持っている情報、目標、そして日々の業務で感じている課題を徹底的にヒアリングします。そして、その情報を全社的な視点から整理し、各部署が協力することで得られる「メリット」を明確に示します。例えば、「営業が現場で得たお客様の生の声が、マーケティング戦略に活かされることで、より効果的な集客が可能になります」といった具合に、お互いが「協力する意味」を理解できるように働きかけます。
このように、CMO代行は単なる戦略策定者ではなく、各部署が持つ個別の「点」を、全社的な成長という一つの「線」に繋ぎ合わせる触媒のような存在です。
組織コーチングによる「対話」と「内省」の促進
CMO代行の役割が「翻訳者」だとすれば、組織コーチングは「対話の促進者」であり、「内省の支援者」です。これは、ただ単に情報を共有するだけでなく、各メンバーが自ら考え、行動する「自律的な組織」を創り上げる上で不可欠な要素となります。
たとえば、月次のフィードバックミーティングでは、ただ結果の報告をするだけでなく、各メンバーが「今月、目標達成に向けてどんな工夫をしたか?」「その工夫はなぜ成功したのか?」「もしうまくいかなかったなら、その原因は何だと思うか?」といった問いかけを通じて、内省を促します。このプロセスを繰り返すことで、個々のメンバーが、自分の仕事が会社の成長にどう貢献しているかを実感できるようになります。
さらに、部署の垣根を越えたワークショップやミーティングを企画し、普段は接点のないメンバー同士が直接対話する機会を作ります。ここでは、例えば営業とカスタマーサポートが一緒になって「お客様が本当に喜んでくれるサービス」についてブレインストーミングを行う、といった活動をします。これにより、お互いの仕事への理解が深まり、自然と協調性が生まれてきます。形式的な会議だけでは生まれない、人間的な繋がりが、部署間の「文化・思考の壁」を壊すきっかけとなるのです。
連携不足を解決するための具体的な3つのステップ
事業部間の連携不足を解決するために、私たちが実際にクライアント企業で実施している、具体的な3つのステップをご紹介します。
ステップ1は「共通の目標とKPIの設定」です。まずは、全社で達成すべき明確な目標を一つに定め、それを各事業部の目標にブレイクダウンします。このとき重要なのは、各部署の目標が、全社目標にどう貢献するのかを、誰もが理解できるようにすることです。例えば、「売上目標10%アップ」という全社目標に対し、マーケティング部は「見込み客獲得数20%アップ」、営業部は「成約率5%アップ」といったように、相互に関連するKPIを設定します。これにより、各部署は自分の役割を明確に理解し、他部署との連携が必須であることを認識できるようになります。
ステップ2は「情報の透明化と共有の仕組みづくり」です。情報の壁を壊すために、部署を越えた情報共有の場を意図的に作ります。週次の定例ミーティングに、他部署の責任者や担当者をオブザーバーとして招待する、部門横断型のプロジェクトチームを立ち上げる、といった方法が有効です。また、プロジェクト管理ツールや情報共有ツールを導入し、進捗状況やお客様からのフィードバックを全社でリアルタイムに確認できる環境を整備することも大切です。これにより、情報が特定の部署に留まることなく、必要な人が必要な情報にアクセスできるようになります。
ステップ3は「お互いを理解する場づくり」です。文化・思考の壁を壊すためには、お互いの仕事や価値観を理解する機会を増やすことが重要です。たとえば、営業担当者がマーケティング部の会議に参加して、集客の苦労や工夫を聞く、逆にマーケティング担当者が営業同行して、お客様との対話を通じて生の声を感じる、といった「シャドウイング」の機会を設けるのも効果的です。これにより、お互いの仕事へのリスペクトが生まれ、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
まとめ:連携から生まれる「創造的な組織」へ
事業部間の連携不足は、多くの企業が抱える共通の課題です。しかし、これを「解決できない問題」として諦めるのではなく、会社の成長を促す「変化のきっかけ」と捉えることが大切です。
CMO代行として、私は貴社の事業戦略と各部署の目標を紐付け、全体を俯瞰した上で最適な戦略を描き出します。そして、組織コーチングを通じて、各メンバーの「内省」と部署間の「対話」を促し、自律的に動く組織へと変革を導きます。戦略と実行力、そして人材育成を両輪で回していくことで、部署間の壁は自然と低くなり、いつの間にか「共通の目標に向かって協力し合える、創造的な組織」へと生まれ変わっているはずです。
もし、貴社が今まさに事業部間の連携不足に悩んでいるなら、それはまさに「変わるチャンス」の合図です。まずは無料の壁打ちセッションで、貴社の現状や想いをお聞かせください。私たちが、その変化の最初の一歩を共に踏み出すお手伝いをさせていただきます。
【CMO代行組織コーチング】
北海道札幌市のマーケティング&コーチングカンパニー
URL:https://velet.jp/
個別セッションMTG用URL https://timerex.net/s/uemurankeitan_baea/7942e040
Tips(CMO代行から学ぶビジネス用語)
CMO(Chief Marketing Officer): 最高マーケティング責任者のこと。企業のマーケティング活動全体を統括し、経営戦略と連携してブランド価値の向上や売上拡大を目指す役割を担います。
KPI(Key Performance Indicator): 重要業績評価指標のこと。目標達成に向けたプロセスを具体的に数値化し、進捗を測るための指標です。
ブレインストーミング: 複数人が集まり、自由にアイデアを出し合うこと。他者の意見を批判せず、多様な視点から新しい発想を生み出す目的で行われます。
シャドウイング: 他部署の社員の仕事に影のように同行し、その業務内容やプロセスを間近で観察し学ぶこと。お互いの仕事理解を深めるために有効です。
縦割り組織: 部署や部門ごとに業務が分断され、連携や情報共有が不足している組織体制。意思決定が遅くなったり、全体最適を欠いた行動につながったりするデメリットがあります。
Let’s keep in touch.
Follow us on Twitter and Instagram.