2026/07/13

なぜ、仕組みを増やすほど現場は動かなくなるのか――自己決定性マネジメントという考え方

上村啓太

上村啓太

2026/07/13

なぜ、仕組みを増やすほど現場は動かなくなるのか――自己決定性マネジメントという考え方

上村啓太

この記事について

この記事は、会社の成長が止まる時“見えない理由”と、その越え方について経験を元に書いたものです。

「何か引っかかった」「言われてみれば、うちもそうかもしれない」と感じた方に向けて書きました。読み終わるころには、もしかしたら明日からの一歩が、見えていることもあると思います。少し長いですが、5分ほどで読めます。

先に、僕の考えの結論を置いておきます。

会社の進化のきっかけは、いつも、その会社の“中”にあります。

僕がしていることは、社内にある“兆し”を明確にして、それを進化・成長のきっかけに変えることに過ぎないのです。

感性を活かし、働く一人ひとりの可能性を広げること。それが、まわりまわって、会社の成長そのものになる。

この記事は、この一文をお伝えするために書きました。

申し遅れました。札幌で、経営者の方々と一緒に「事業と組織」に向き合う仕事をしている、上村啓太といいます。

1. こんな「違和感」、ありませんか

「売上は伸びているのに、自分が現場を抜けると、回らなくなる」

「幹部に任せたいのに、つい口を出してしまう」

「マニュアルは整ったはずなのに、現場に以前のような活気がない」

成長の途中にある会社の経営者の多くが、こんな感覚を抱えています。数字に大きな問題があるわけではありません。誰かがはっきり失敗しているわけでもありません。だからこそ口に出しにくくて、「気のせいかな」で済ませてしまいがちです。

でも、この“まだ言葉になっていない違和感”は、気のせいではないと僕は思っています。次の成長段階でぶつかる壁の、いちばん早いサインかもしれません。

この記事では、その正体を解きほぐして、止まった流れを良い循環へと変えていく考え方「自己決定性マネジメント」を、順を追ってご紹介します。

2. その違和感の正体――会社は「二つの輪」で走っている

少し、見方を変えてみます。

会社は、二つの輪で走っています。一つは「事業」の輪。集客、売上、仕組み。地上に積み上がっていく、目に見える“高さ”です。

もう一つが「組織」の輪。人、関係、現場の熱量。こちらは地下に打ち込まれる、見えない“基礎”のようなものです。

成長してきた会社の多くは、「事業」の輪――目に見える高さ――を一生懸命積んで、ここまで来ました。だから、何かが止まったとき、つい「事業」の輪だけを、もっと高く積もうとします。

でも、さきほどの違和感は、たぶん「事業」の輪の問題ではありません。もう一つの「組織」の輪――見えない基礎が、浅いままになっているサインです。

基礎が浅いまま、上だけを高く積むと、どうなるか。塔は傾いて、ある高さで止まります。これが「片輪走行」。多くの会社が、ある規模で足踏みする、いちばん多い理由だと僕は考えています。




記事のコンテンツ


高さは、深さで決まる。

これは、机上の話ではありません。というより、僕自身の反省の言葉です。僕はかつて、事業側だけを必死に積んで、組織を置き去りにしかけた側の人間でした。6億円だった事業が15億円へ伸びていく過程で、最大190名の仲間と一緒に、この「基礎の浅さ」に何度もつまずきながら、体で学んだことです。

そして、この高さは、一度で決まるものではありません。事業を伸ばし、組織が追いつく。その「行き来」を一周まわすたびに、会社は一段、高くなります。回しながら、上がっていく。だから、その行き来を止めないことが、いちばん大切なのだと思います。

この両輪は、きれいに順番で進むものでもありません。事業と組織は、いつも交互に現れ、行き来します。個人の思いと、会社の方向性。

創業者のマインドと、管理者のマインド。

会社全体が、その二つのあいだを揺れながら、成長していく。大切なのは、どちらかに止まらず、行き来し続けることなのだと思います。

3. なぜ片輪になるのか――仕組み化のパラドックス

では、なぜ「組織」の基礎は、浅いまま止まってしまうのでしょうか。

ふつう、成長してきた会社は「仕組み化」を進めます。マニュアル、システム、ルール。これらは“効率”を確実に上げてくれます。でも、仕組みは効率を上げても、熱量までは上げてくれません。それどころか、自分で考えて決める余白を奪ってしまい、現場が“自分で決める機会”を、少しずつ減らしていきます。

多くの会社が、ある規模(よく言われるのが年商10億前後)で足踏みするのは、力が足りないからではありません。「仕組みを増やすほど、現場が自分で考えなくなる」という落とし穴――僕はこれを“仕組み化のパラドックス”と呼んでいます――に気づいていないからです。真面目に仕組みづくりを頑張ってきた会社ほど、はまりやすい。ここが、この落とし穴の切ないところです。

問題は、仕組みが足りないことではありません。「仕組み」と「現場の熱量」のあいだの行き来が、どこかで止まってしまっていることにあります。片側だけを磨く今までのやり方では、この切れ目は埋まりません。

4. 両輪を回し直す――「自己決定性マネジメント」

そこで、僕が現場で確かめてきた考え方が、「自己決定性マネジメント」です。

これは、現場に“決める”を任せていくやり方です。ただし、放任とはまったく違います。カギは、“どこまで任せるか”をはっきり決めておくことにあります。


  • 目指す方向(どこへ向かうか)は、経営がはっきり決めます。ここは、いくらでも広げていい、というものではありません。

  • でも、そこへの感じ方や動き方(どう感じて、工夫して、動くか)は、現場にいくらでも開きます。


行き先がそろっているからこそ、現場は迷わず、安心して、自分で決められます。「方向は決める、感性は開く」。これが、自由と規律を両立させる設計です。

方向性は、「器」である

ここは、僕がいちばん伝えたいところかもしれません。

会社の方向性は、現場を縛る制約ではありません。むしろ、一人ひとりを受けとめる「器」です。許容範囲とも言えます。

器があるからこそ、現場は安心して、思い切り力を発揮できます。そして、その器の中でこそ――一人ひとりが、プロフェッショナルから、リーダーへと育っていきます。

現場の暴走を防ぐのは、こまかな制約ではなく、この「器」です。方向性は、自由を奪うためではなく、人が育つ起点をつくるためにあります。そう考えるようになってから、僕の中で「マネジメント」という言葉の意味が、ずいぶん変わりました。

ちなみに、これは僕の思いつきではありません。心理学の「自己決定理論」も、同じことを示しています。人は「自分で決めている」と感じられるとき、いちばんのびる。ただし、それは“何でも自由”という意味ではなく、放任とは違う――研究も、そう言っています。現場で確かめてきたことと研究が同じことを言っていると知ったときは、少しほっとしました。

「熱量」とは何か

ここで言う「熱量」は、ふわっとした“やる気”や精神論ではありません。現場の一人ひとりが「自分で決めていい」と感じて、仕事を“自分のこと”として引き受けている状態。つまり、“自己決定性”が働いている状態のことです。

いちばん大事なところ――「やれている」と「まだ課題がある」の行き来

この考え方の真ん中には、もう一つの“行き来”があります。

「自分たちは、やれている」という手応え。「まだ、課題がある」という気づき。この二つは、教えて植えつけられるものではなく、現場が、その二つのあいだを何度も行き来するなかでしか、見つかりません。

「やれている」だけでは、慢心して止まります。「まだ足りない」だけでは、不安で折れます。両方を行き来できる現場だけが、安心しながら、伸び続けられます。

行き来を起こす道具――“振り返り”

この行き来を現場で起こすための、具体的な道具が“振り返り”です。結果の良し悪しで人を評価するのではなく、目指した状態に対して「できたこと」と「次の課題」を、本人が自分で確かめて、次の一手を自分で決めます。

僕はこの“振り返り”を、これまで9,000回以上のセッションで繰り返してきました。思いつきではなく、現場で確かめ続けてきた方法です。

5. 両輪を回す、三つのマインド――リード・ドライブ・ムーブ

両輪を回すのは、経営者の中にある「三つのマインド」です。場面によって、この三つを使い分けていきます。

リード――方向を、指し示す。自分自身で方向性を示し、可能性を見て、踏み込み、引っぱっていく。いわば“創業者”のマインドです。

ドライブ――仕組みを、走らせる。仕組みを信じ、手放し、走らせて、見守る。これが“管理者”のマインドです。

ムーブ――挑戦を引き出し、行動に変える。一人ひとりの可能性を追求し、目標像を描き、最初の一歩を、行動につなげる。本人が、自分の足で動き出すのを、隣で支えます。

多くの経営者は、リードかドライブ、どちらかに偏りがちです。

“創業者”が強すぎると、組織が散らかる。

“管理者”が強すぎると、現場の熱が冷めていく(=仕組み化のパラドックス)。

そして、いちばん抜け落ちやすいのが、ムーブです。


ムーブは、プロをリーダーに変える「起点」

この三つは、経営者が場面で使い分けるマインドであると同時に、現場の一人ひとりが育っていく「成長の段階」でもあります。自分の仕事ができるプロフェッショナルが、やがて、自分で方向を示し、人を動かすリーダーへと育っていく。その変化の起点になるのが、ムーブです。

答えを渡すのではなく、問いを置く。背中を押すのではなく、隣で一歩を、一緒に踏み出す。ムーブが「いちばん抜け落ちやすい」のは、それが“起点”という、見えにくい一歩だからです。

僕自身は、この三つ目が専門です。地味ですが、現場の熱量は、いつもここから生まれてきました。

当事者意識が生まれることの、光と影

現場の一人ひとりに当事者意識(=その人の中に芽生える“リードの心”)が生まれることは、大きな力になります。提案が生まれ、判断が現場におりてきます。

一方で、正直に言えば、影もあります。一人ひとりが強く“自分ごと”になるほど、放っておけば、それぞれが良かれと思って別々の方向へ走り、現場が分裂しかねません。だからこそ、先に「器(方向性や許容範囲)」が要るのです。

器があれば、その当事者意識は、暴走ではなく、推進力に変わります。光だけを残し、影を消す――それが、方向性を先に定める理由です。

この三つ目「ムーブ」こそ、現場の熱量を生み出す源であり、自己決定性マネジメントの中心です。前から導き、後ろから走らせ、隣で一歩を踏み出させる。この三つを場面で使い分けることが、両輪を回し、会社を一段ずつ高くしていく力になります。

6. これは、思いつきではない――三つの裏づけ

ここまでの話を、「良い考え方ですね」で終わらせたくないので、裏づけも正直に書いておきます。三つあります。

① 外部の研究が、同じことを言っている。心理学の「自己決定理論」(デシとライアンが提唱)は、人が「自律性(自分で決めている感覚)」「有能感」「関係性」を満たされたとき、内側からのやる気と高い成果が生まれる、と示しています。そして、ここで言う自律性とは“自分勝手”や“放任”のことではなく、「自分の意思で選んでいると感じられること」です。「方向は決める、感性は開く」は、これとまったく同じ考え方です。

② 規模が、結果を語っている。僕自身、6億円だった事業を15億円へ、最大190名の組織とともに伸ばしてきました。両輪を回すと、会社はここまで伸びる――その実感が、この手法の土台になっています。

③ 回数が、再現性を語っている。この手法の中核である“振り返り”を、9,000回以上のセッションで繰り返してきました。一度きりの成功談ではありません。何度も現場で確かめ、磨き続けてきた方法です。

外の研究、会社の規模、そして9,000回。三つがそろって、これは「考え方」から「確かめられた手法」になっていると、僕は思っています。

7. 変化の連鎖――言葉にすることから、広がりまで

止まってしまった行き来は、次の四つの段階を通って戻ってきて、やがて組織の外へと広がっていきます。

段階1――言葉にする。まず、現場が抱えている違和感を、言葉にします。名前がつくと、それは「経営者ひとりのモヤモヤ」から、「組織でいっしょに扱える課題」に変わります。扱えるようになること。それが、すべてのスタートになります。

会社が次に進化するきっかけは、いつも社内にあります。

まだ言葉になっていない「兆し」が、すでにそこにあるのです。その兆しは、数字には表れません。数字は、もう起きたことの記録――事実でしかないからです。

兆しは、これから起きること。だから、兆しは常に「人」と「空間」にあります。その兆しを見つけ、言葉にして、進化・成長のきっかけに変える。それが、僕の仕事の出発点です。

段階2――言葉と姿勢をそろえる。日々の伝え方を、“指示の言葉”から“意味の言葉”へ。

リーダーの姿勢を、“チェックと評価”から“信頼と引き出し”へ。すると現場は「見てもらえている」「任されている」と感じて、仕事に“自分ごと”の感覚が戻ってきます。

段階3――熱量が高まる。言葉と姿勢がそろうと、現場は“指示待ち”から“自分で動く”へ変わります。提案が生まれ、判断が現場におりてきて、品質が“管理”ではなく“自分ごとの意識”から上がっていきます。経営者ひとりへの頼りきりがほどけて、これが、業績の壁を越える力になります。

段階4――まわりへ広がる。特に、お店を中心としたビジネス(toC・店舗型)では、現場の熱量が、そのままお客様の体験になります。内側の熱は、接客・再来店・紹介となって外へ伝わり、評判や採用の力を高めていきます。そして、その成長が、次の新しい仕組みを生みます。

こうして、これまで“あちらを立てればこちらが立たず”だった「仕組み」と「熱量」が、おたがいを押し上げる良い循環(スパイラル)に変わっていきます。

8. 支援の特徴について

成長の停滞にぶつかったとき、頼れる外部の支援は、いくつかのタイプに分けられます。ここで大事なのは、それぞれが“何を見ているか”です。会社には「事業(仕組み)」と「組織(人)」、二つの輪しかありません。支援も、その軸で見ると、はっきりします。


  • 集客・売上を上げる支援(CMO代行・広告・SNSなど):事業の輪に強い。組織は範囲の外になりがちです。

  • 全体を設計する支援(経営コンサルなど):型や戦略に強い。ただ、現場の体温までは乗りにくいところがあります。

  • 人・組織を育てる支援(組織開発・人事など):組織の輪に強い。一方で、事業の数字とは切り離されがちです。

  • 個人を深める支援(コーチングなど):経営者個人を深めることに強い。ただ、現場への実行までは薄くなりがちです。


CMOの真価は、不調の時にこそ出る

事業を伸ばす力(CMO)は、好調の時よりも、むしろ不調の時にこそ、真価を発揮すると僕は考えています。なぜなら、実行されない戦略は、意味がないからです。不調とは、戦略が実行されていない状態であることが、多いのです。

まず止まっているものを動かすには、完璧さよりも、速さです。動き出してから、量を増やし、質を高めていく。この「スピード → 量 → 質」の順で手を打つと、止まっていた流れが、一気に変わりはじめます。

CMOとは、単に事業を見ることではありません。「止まった行き来を、実行で動かし直す力」だと、僕は定義しています。

こうして一覧にすると、ある“空白”が見えてきます。既存の支援は、どれも「事業」か「組織」、片方を見ています。僕たちは、両方を“一つの思想”で束ね、現場で行き来させる法人でありたいと思っています。

ただ、これは「専門に特化した人より優れている」という意味ではありません。それぞれの専門家は、その分野でとても高い力を持っています。僕たちの価値は、“どこかでいちばん深い”ことではなく、ふだん切り離されがちな二つの輪を、一つの思想でつなぎ直すところにあります。

9. 実際の現場から

「仕組みと熱量の行き来」が戻ってくると、組織には次のような変化が生まれます。


  • 現場から自分で提案や判断が出てくるようになって、社長ひとりに頼りきりの状態がほどけます。

  • 人が辞めにくくなって、採用や教育にかかっていた見えない出費が下がります。

  • 現場の熱量がお客様の体験に表れて、再来店・紹介・評判が高まります。

  • 社長の時間が、目の前の対応から“先をつくる時間”へと空いていきます。


ここからは、僕の主張ではなく、実際の現場で起きたことです。

北海道の、ある自動車学園で――自分たちの言葉が、行動哲学になった

選ばれた5名の社員さんが集まり、4時間かけて、自分たちが大切にしてきたことを言葉にしました。出てきたのは、どこかから借りてきた立派な言葉ではなく、現場から掘り起こした、自分たちの基準でした。

たとえば、「最後まで諦めない」。たとえば、「学び続けて、その成長を、外へ向ける」。たとえば、「まごころで、その人の先を、一緒に描く」。これが一冊の本になって、全社員へ届きました。

指示で動いていた組織が、自分たちの言葉で、自分たちの行動哲学を持った瞬間に、僕は立ち会わせてもらいました。

ある写真スタジオで――チームが、自分たちで未来を決めた

半年の自分を振り返って、一人ひとりの「ついた実力」を確定しました。「みんなの視点をそろえ、先頭に立って成功にもっていく力」。「楽しみながら挑戦して、自分でやってみて感覚をつかみ、実行する力」。「想いを伝え続け、熱をもって周りを巻き込み、結果を出し切る力」。

そして、チームとして目指す姿を、自分たちの言葉で決めました――「日本一、夢を追いかける、キラキラ集団」。これは、上からの号令ではありません。現場が、自分たちで決めた未来です。あの日の空気は、今も忘れられません。

変化は、その日では終わりません。翌日から90日間、毎日の小さな一歩を、チームで分かち合い続けます。火をつけて終わりではなく、燃やし続ける。ここまでが、ワンセットです。

10. この考え方が広げるもの――働く人から、社会へ

自己決定性マネジメントがもたらす変化は、一社の業績だけにとどまらないと、僕は思っています。“自分で決める”という経験は、人から人へ、内から外へと広がっていきます。

働く人へ。仕事は、人生の時間の大半を占めます。そこが「やらされる場所」から「自分で決める場所」に変わると、働くことそのものが、すり減る時間ではなく、自分を生きる時間になります。

経営者へ。現場が自分で動くようになると、経営者は“管理”から解放されます。全部を一人で背負う孤独から、“任せられる”状態へ。空いた時間と力を、本当にやるべき“先をつくる仕事”に向けられます。

お客様へ。働く人の熱量が、そのままお客様の体験になります。マニュアルどおりの接客では届かない「またこの人に会いに来たい」が生まれます。お客様が受け取るのは、商品やサービスだけではありません。その奥にある“関係”です。

そして、社会へ。お店は、地域の人たちの毎日に触れる場所です。熱量のあるお店が増えれば、その地域の毎日が、少しずつ豊かになっていきます。

さらに、職場で「自分で決める」を経験した人は、その姿勢を、家庭へ、地域へ、次の世代へと持ち帰ります。自己決定性は、伝わっていきます。働く場所が「人が、自分を取り戻す場所」になれば、社会全体で“自分の人生を生きる人”が、少しずつ増えていく。

一つの会社の組織づくりが、めぐりめぐって社会に返っていく。これは理想論ではなく、“自分で決めた経験は手放されない”という、人の性質に根ざした広がりだと、僕は信じています。

11. 進め方――現場の、小さな一歩から

では、何から始めればいいのか。大きな改革は、要りません。僕は、3つのサービスで、現場から経営までを支えています。0→1→10→100の階段のイメージです。

① メンバーコーチ(0→1|現場から、ボトムアップ) 現場のメンバー一人ひとりに、専任コーチが月1回の個別セッションで伴走します。「どうありたいか」「何ができるようになりたいか」を本人が言葉にし、自分で決めた行動を、翌月まで実践する。月末には集まって、振り返る。これが、熱量の火種になります。(=三つのマインドでいう“ムーブ”)

② 組織コーチング(1→10|経営者の確信度を高める) 経営者との月1回の対話で、組織課題を言語化します。現場で掴んだ温度感をフィードバックしながら、「どこへ向かうか」の確信度を高めていく。幹部を交えた体現者セッションで、組織全体の方向(器)を揃えます。(=“リード”)

③ CMO代行(10→100|事業成長を、加速する) 整った組織の上で、マーケティングと営業を実行・管理し、No.1ポジションへ。止まっていた戦略を、実行で動かし直します。(=“ドライブ”)

現場の火種(ムーブ)→ 経営の方向(リード)→ 事業の加速(ドライブ)。三つがつながって、組織全体が動き出します。

法人化の記念に、トライアルを始めています

この2026年7月、これまで個人でやってきた活動を「株式会社ALLDAYS」として法人化しました。

それを記念して、小さく試せるトライアルを用意しています。メンバーコーチは3名×60分×1回(40,000円)、CMO代行は2日間の現場介入(50,000円)から。「うちの会社は、どうだろう?」と感じた方が、まず一歩を試せる入口として。興味があれば、という温度で置いておきます。

最後に――社名の話を、少しだけ

ALLDAYSという社名は、翻訳すると日常という言葉ですが、その毎日にこそ、特別な何かがきっとある、という想いと、毎日自分を生きる人を増やしたい、という想いから名付けました。

会社が次に進化するきっかけは、外から持ち込まれるものではなくて、いつも、その会社の“中”にあると僕は思っています。まだ言葉になっていない“兆し”が、すでにそこにある。その兆しを見つけて、言葉にして、進化のきっかけに変える。それが僕の仕事です。

感性を活かし、働く一人ひとりの可能性を広げること。それが、まわりまわって、会社の成長そのものになる。

僕は、これを信じてやっています。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

もしこの記事を読んで、誰かの心に届いたならば――チームの現状や今後の可能性について、30分ほどオンラインで話してみませんか。もちろん、この投稿へのメッセージだけでも、うれしいです。

戦略に、体温を。すべての日に、兆しがある。

上村 啓太(うえむら けいた)|株式会社ALLDAYS(VELET)代表

札幌。銀行・人材・写真スタジオの営業部長を経て独立。事業を6億→15億へ、最大190名の組織とともに伸ばした経験を、「自己決定性マネジメント」という考え方に体系化。振り返りセッションは9,000回以上。CMO代行/組織コーチング/メンバーコーチを通じて、事業と組織の両輪を、一つの思想でつなぎ直す仕事をしています。休みの日は、筋トレか、山か、映画館にいます。

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