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成人式の振袖姿に涙する親御さんを見て、私が経営者に伝えたくなった「任せる勇気」の話|札幌の組織コーチが語る事業承継の本質
札幌でCMO代行・組織コーチングを展開するVELET代表の上村啓太です。
今日は成人の日。
私はかつて、15億円規模の写真館企業で営業部長を12年間務め、何千組もの成人式を見届けてきました。
正直に言うと、私にとって「年明け」は1月1日ではありませんでした。
成人式が終わるまでは、どこか年が明けた気がしない。元日を迎えても、心のどこかで「まだ終わっていない」という感覚がある。成人式当日を無事に送り届けて、ようやく「今年も始まったな」と思える——そんな12年間でした。
今日は、その現場で何度も目にした光景と、そこから学んだ「経営の本質」についてお話しさせてください。
34歳で飛び込んだ写真館の世界
12年前、私は34歳でフォトスタジオに入社しました。
銀行、人材派遣、リクルートと渡り歩いてきた私にとって、写真館の世界は未知の領域でした。でも、そこで見た景色は、今でも鮮明に覚えています。
成人式当日の早朝。まだ暗いうちからスタジオに明かりが灯り、スタッフが準備に追われる。続々とやってくる新成人と、その家族。緊張と期待が入り混じった空気。そして、振袖姿の娘を見て涙ぐむ親御さん。
あの光景に、私は心を打たれました。
あれから12年。今、僕は写真館を離れ、CMO代行・組織コーチとして別の道を歩んでいます。
同じ冬、同じ成人式の季節。でも、見ている景色は違う。
かつては「送り出す側」として現場に立っていた私が、今は経営者の「伴走者」として、別の形で人の成長に関わっている。
不思議な巡り合わせだと思います。
コロナを経ても、残り続けた文化
この12年間、成人式を取り巻く環境は大きく変わりました。
特に、コロナ禍。
2021年、多くの自治体で成人式が中止や延期になりました。あの時、私たちは「この文化は、どうなってしまうのだろう」と不安に思ったものです。
でも、成人式は残りました。
形を変えながら、オンラインを取り入れながら、それでも「晴れ着を着て、大人になったことを祝う」という文化は、途絶えなかった。
親御さんは、コロナ禍でも振袖を予約しました。「娘の晴れ姿を残したい」という想いは、何があっても変わらなかった。
私はそこに、日本人としての誇りを感じます。
成人式という「儀式」を、何百年も大切にしてきた先人たち。そして、どんな困難があっても、それを次の世代に繋ごうとする親御さんたち。
写真館という仕事の面白さは、ここにあるのだと思います。
私たちは、ただ写真を撮っていたわけではない。「文化を継承する」という仕事をしていたのです。
衣装合わせの日と、当日の「別人」
成人式には、事前の衣装合わせがあります。
振袖や袴を選ぶ日、彼ら彼女らはまだ「あどけない顔」をしています。母親と一緒に来て、「これかわいい」「こっちの方がいいんじゃない?」とワイワイやっている。まだ、どこか子どもの延長線上にいる。
ところが、当日。
振袖に袖を通し、ヘアメイクを終えて出てきた瞬間、彼女たちは「別人」になっている。
背筋がピンと伸び、目に力が宿り、凛とした「大人の顔」をしている。
そして、それを見た親御さんが——特にお母さんが——カメラの後ろで、静かに涙を流すのです。
寂しさと、誇らしさが入り混じった涙。
「ああ、この子はもう大人になったんだ」という、手放す覚悟の涙。
私は12年間、何度もその光景を見てきました。そして、いつも思っていたのです。
「なぜ、彼女たちは一夜にして大人になれるのだろう?」と。
親御さんの「絶対的な愛」と「シビアさ」
12年間、成人式の現場に立ち続けて、私が痛感したことがあります。
親御さんの愛は、「絶対的」だということ。
娘のために、最高の一日にしたい。この子の晴れ姿を、最高の形で残したい。その想いは、どの親御さんも同じでした。
でも同時に、親御さんは「シビア」でもありました。
決して安くはない振袖のレンタル代、撮影代、ヘアメイク代——。お金の話になると、当然ながら厳しい目を向けられることもありました。「本当にこの金額の価値があるのか?」「もっと安くならないのか?」と。
それは当たり前のことです。大切なお金だから。
でも、私はそのシビアさの奥に、いつも「愛」を感じていました。
シビアになるのは、どうでもいいからじゃない。大切だから、真剣になる。娘の一生に一度の日を、絶対に失敗させたくないから、厳しくなる。
その「愛」に応えたい。
私たちはいつも、そう思って仕事をしていました。
「ここで卒業していく」という感覚
成人式の現場には、独特の「終わり」の感覚があります。
写真館にとって、成人式のお客様は特別な存在です。
七五三で初めて出会い、小学校の入学式、卒業式、中学、高校……と、節目節目で写真を撮らせていただいてきた。その集大成が、成人式。
成人式の撮影が終わると、多くのお客様は「卒業」していきます。
次に会うのは、もしかしたら結婚式かもしれない。あるいは、お子さんが生まれて、七五三で戻ってきてくれるかもしれない。でも、それはまた別の話。
「この子は、ここで私たちの手を離れていくんだな」
そんな感覚を、毎年、何百組ものご家族と共有してきました。
だから、成人式が終わるまでは、年が明けた気がしなかったのです。
この「卒業」を見届けて、ようやく一年が始まる。その繰り返しが、私の12年間でした。
「大人の顔」になる理由は、衣装ではない
話を戻します。
なぜ、彼女たちは成人式当日に「大人の顔」になれるのか。
答えは、衣装ではありませんでした。
もちろん、振袖や袴には力があります。日本の伝統的な衣装には、人を変える「型」の力がある。
でも、それだけではない。
彼女たちが「大人の顔」になれるのは、周囲が「今日から君は大人だ」と認め、信じて送り出すからです。
成人式という「儀式」がある。社会が「あなたはもう一人前だ」と宣言する。親が「もう私たちの手を離れていいんだよ」と、涙ながらに背中を押す。
その期待を受けて、若者は「大人の顔」になる。
期待されるから、応えようとする。信じられるから、その信頼に足る自分になろうとする。
これは、経営も全く同じなのです。
「あいつはまだ未熟だ」と言い続ける社長へ
事業承継や組織改革の現場で、私は多くの経営者と対話してきました。
その中で、何度も聞く言葉があります。
「あいつはまだ未熟だ」 「俺がいないとダメなんだ」 「任せたいけど、不安で見てられない」
気持ちは痛いほどわかります。自分が築いてきた会社だから。失敗させたくないから。
でも、あえて厳しいことを言わせてください。
それは、社長自身が「子離れ」できていないだけではありませんか?
成人式の親御さんを思い出してください。
彼女たちも、不安だったはずです。「この子、ちゃんとやっていけるかしら」「まだ甘えん坊なのに」——そう思いながらも、涙をこらえて送り出した。
「信じて手放す」という決断をしたから、子どもは大人になれたのです。
経営も同じです。
「役割」という衣装を与え、「信じて任せる」という儀式を行わない限り、社員はいつまでも「子ども」のままです。
そして皮肉なことに、「あいつは未熟だ」と言い続ける社長のもとでは、社員は本当に「未熟なまま」でいてしまう。
信じられていないことを、人は敏感に感じ取るからです。
事業承継で最も難しいのは「任せる勇気」
事業承継や組織改革において、最も難しいのは何か。
スキルの伝達ではありません。ノウハウの継承でもありません。
トップが「任せる勇気」を持つことです。
失敗するかもしれない。自分がやった方が早いかもしれない。見ていてハラハラするかもしれない。
それでも、信じて舞台に立たせる。
転んでも、自分で立ち上がる力を信じる。
それが、「愛と信頼」の経営だと、私は思っています。
成人式の親御さんがそうだったように。
絶対的な愛を持ちながら、シビアに向き合い、そして最後は「卒業」させる。
その覚悟が、次世代を育てるのです。
私は今、企業の「成人式」をプロデュースしている
写真館を離れた今、私はCMO代行・組織コーチとして、企業の「成人式」をプロデュースする仕事をしています。
次世代へのバトンタッチ。若手社員の覚醒。指示待ち組織から自走するチームへの変革。
それはすべて、「信じて任せる」という儀式から始まります。
成人式の振袖に袖を通した瞬間、若者の目に光が宿るように。
「君に任せる」と言われた瞬間、社員の目に覚悟が宿る。
その瞬間を、私は何度も見てきました。そして、これからも見続けたい。
写真館で「文化を継承する」仕事をしていた私が、今は「会社の文化を継承する」仕事をしている。
見ている景色は変わりました。でも、やっていることの本質は、きっと同じなのだと思います。
成人の日に寄せて
成人の日、おめでとうございます。
新成人の皆さんには、どうか「大人として信じてもらえた」という経験を、これからの人生の糧にしてほしいと思います。
そして——。
若手を信じて、歯を食いしばっている経営者の皆さん。
「任せたいけど不安だ」と、夜中に一人で悩んでいる社長の皆さん。
その勇気を、私は全力で応援します。
戦略に 体温を。
信じることから、組織は変わります。
「任せる勇気」を一緒に育てませんか?
VELETでは、CMO代行・組織コーチングを通じて、経営者の「手放す決断」と「次世代の覚醒」を伴走支援しています。
事業承継の悩み、若手育成の壁、組織づくりのご相談——まずはお気軽にお問い合わせください。
【まとめ】 札幌の組織コーチ上村啓太が、34歳で飛び込んだ写真館の世界で12年間見届けた成人式の光景から、事業承継・社員育成における「任せる勇気」の本質を語る。コロナを経ても残り続けた日本の文化、親御さんの絶対的な愛とシビアさ、そして「卒業」の感覚——信じて送り出すことで、人は「大人の顔」になる。
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