2025/09/26

なぜ、あのSaaSは顧客理解だけで「高収益」を生み出し続けるのか?

テクニカルな集客手法をやり尽くしたSaaS企業へ。その成長の壁は「顧客理解」で突破できます。営業とCSのワンセットマインドで顧客の可能性を解放し、売上・利益を飛躍させる本質的なアプローチを解説。

上村啓太

2025/09/26

なぜ、あのSaaSは顧客理解だけで「高収益」を生み出し続けるのか?

テクニカルな集客手法をやり尽くしたSaaS企業へ。その成長の壁は「顧客理解」で突破できます。営業とCSのワンセットマインドで顧客の可能性を解放し、売上・利益を飛躍させる本質的なアプローチを解説。

上村啓太

私たちは、貴社のブランドが輝き、測定可能な事業成果をもたらす、高性能のマーケティング機能と自律成長組織の構築を専門としています。

「広告単価が上がってきた」「SEO施策はやり尽くした」「新たな集客チャネルが見つからない…」

これらの悩みを抱えているSaaS企業のマーケティングチームは、少なくありません。市場が成熟し、多くの企業がテクニカルな集客手法に依存する中、新規顧客獲得のコストは高騰し、売上は伸びても利益が残らない、という事業成長の停滞に直面しています。

しかし、その一方で、広告をほとんど使わずに、既存顧客からのアップセルや紹介だけで右肩上がりの成長を続けるSaaS企業が存在します。彼らが実践しているのは、最新のマーケティング手法でも、高度なAIツールでもありません。


ただシンプルに、「顧客のビジネスの可能性を探る」という、最も本質的なアプローチを徹底しているだけなのです。


これは、あなたの会社の「営業」と「カスタマーサクセス(CS)」が、単一の部門ではなく、顧客の成功を追求する「ワンセットのマインド」を持つことで実現します。

今回の記事では、この「顧客の可能性を解放する」という、シンプルでありながら最も強力な成長戦略を、具体的な思考法と、私たちが提唱する3つの視点を交えながら解説していきます。


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テクニカルなアプローチが成長を鈍化させる理由

多くのSaaS企業は、プロダクト開発と新規顧客獲得に多くのリソースを投下します。その結果、

  • 提供価値が限定的になる: 自社のサービスが持つ「機能」という狭い枠組みでしか、顧客の課題を捉えられなくなります。顧客が本当に解決したい「事業全体の課題」を見過ごし、単なる機能提供に終始してしまうのです。

  • 部門間の連携が失われる: 「新規顧客獲得はマーケティングと営業の仕事」「既存顧客の満足度はCSの仕事」と、部門間で役割が分断されます。これにより、顧客との関係性が「点」でしかなく、「線」としての深い関与が生まれません。

  • 視野が狭くなり、壁打ち相手がいない: 日々のKPI達成に追われる中で、自社サービスの「限定的な」価値に縛られた発想しか生まれなくなります。テクニカルな議論はできても、顧客の事業全体を俯瞰し、共に未来を描ける戦略的な「壁打ち相手」が社内に存在しない、という孤独な状況に陥ります。

この状況から抜け出すためには、部門の壁を越え、顧客のビジネスを多角的に捉え直す「プロデューサー」としてのマインドセットが不可欠です。

成長を加速させる「3つの視点」で顧客の可能性を解放する

私たちが提唱する「顧客の可能性を探る」アプローチは、顧客の事業を「経営者」「組織」「市場」という3つの視点から深く理解することで、新たな収益の柱を見つけ出します。

【視点1】「経営者」の視点で、顧客のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に憑依する

顧客との会話を、単なる「サービスの使い方」や「機能改善の要望」で終わらせていませんか?真のパートナーシップは、彼らの事業の「上位概念」に迫ることから始まります。

  • 「なぜこの事業を始めたのか?」

  • 「今後、何を成し遂げたいのか?」

  • 「そのために、今一番解決したいことは何か?」

これらの質問を通じて、顧客が持つ「MVV」や、言語化されていない「潜在的な課題」を深く理解します。これにより、あなたのSaaSが、顧客の事業ビジョンを達成するための不可欠なツールとして位置づけられます。あなたのチームは、単なる「機能提供者」から、未来を共創する「戦略パートナー」へと変わります。

【視点2】「組織」の視点で、顧客のビジネスを「自分ごと」にする

SaaSの導入は、多くの場合、特定のチームや部署から始まります。しかし、そのチームが抱える課題を解決するだけでなく、それが組織全体にどのような影響を与えているかという視点を持つことが重要です。

  • 営業チームの課題: 営業支援SaaSの導入で、日報入力の手間は減った。しかし、それによって得られたデータを活用し、部門横断で成約率を向上させる仕組みまで提案できていますか?

  • マーケティングチームの課題: マーケティングオートメーションSaaSで、リード獲得は増えた。しかし、そのリードが営業にスムーズに引き渡され、商談へと繋がるプロセスまで設計できていますか?

このように、部門間の連携や人材育成といった「組織的な課題」にまで踏み込むことで、あなたのサービスは「個別最適」から「全体最適」へと価値を拡張し、LTVを飛躍的に向上させることができます。

【視点3】「市場」の視点で、顧客のビジネスを再定義する

顧客のビジネスを、彼らが認識している以上に大きく捉えることで、新しい収益の可能性を見つけ出します。

  • 顧客の強みは何か?: 顧客の既存事業を深く分析し、彼らが持つ独自の強みや、まだ活用されていないリソースを発見します。

  • その強みを活かして、どこで戦うか?: 顧客の強みと市場のニーズを掛け合わせ、新たな収益の柱となるサービスや事業を共に企画します。例えば、あるクライアントのWebサイト制作ノウハウを、別のクライアント向けの育成サービスとして再構築するといった具合です。

この視点を持つことで、あなたのチームは、顧客の既存事業をサポートするだけでなく、彼らがまだ気づいていない「市場の可能性」を共に開拓する「イノベーションパートナー」へと進化します。

まとめ:SaaSの成長は、顧客の「可能性」を解放することから始まる

今回の記事では、SaaSビジネスが陥りがちな成長の停滞を打破し、既存顧客から高収益を生み出すための3つの視点を解説しました。

  • 視点1: 「経営者」の視点で、顧客のMVVに憑依する。

  • 視点2: 「組織」の視点で、顧客のビジネスを「自分ごと」にする。

  • 視点3: 「市場」の視点で、顧客のビジネスを再定義する。

これらの視点を持ち、テクニカルなアプローチを越えて顧客理解を深めることで、あなたのチームは、単なる「機能提供者」から、顧客の事業に不可欠な「共創パートナー」へと進化します。そして、この進化こそが、価格競争から脱却し、安定した高収益体質を築く唯一無二の道なのです。


ビジネス・マーケティング用語tips

●カスタマーサクセス(CS) 顧客がSaaSを導入した後、そのサービスを最大限に活用し、事業で成功を収められるよう支援する活動のこと。

●LTV(Life Time Value) 「顧客生涯価値」のこと。一人の顧客が、企業との取引開始から終了までの期間にもたらす利益の総額。

●オンボーディング 顧客がサービスを使い始める際に、使い方をサポートし、スムーズに活用できるよう支援するプロセス。

●インサイト 顧客の行動や心理の背後にある、無意識の動機や真の欲求のこと。

●MVV(ミッション・ビジョン・バリュー) 企業の「存在意義」「目指す未来」「大切にする価値観」を表す言葉。経営判断や従業員の行動規範の土台となる。

VELETは「CMO代行×組織育成」という二つの視点から、事業と組織の強化を担い、持続的な成長を目指す経営者の方を支援しています。

今回ご紹介した思考法を実践し、SaaSビジネスを次のステージへと引き上げませんか?


特別モニター企業を限定募集します!

この度、私たちは「既存顧客からの売上を最大化したい」SaaS企業様向けに、伴走型コンサルティングの特別モニター企業を限定数で募集します。

  • 既存のマーケティングチームがいるが、戦略的な壁打ち相手がいない。

  • 自社サービスの提供価値が限定的だと感じているが、可能性を探り、展開を強化したい。

  • 高収益体質へとビジネスモデルを転換したい。

そんな悩みを抱える経営者の方は、ぜひ一度、私たちの「壁打ちセッション」でお話を聞かせてください。

あなたの事業が持つ眠れる可能性を、共に言語化し、未来への一歩を踏み出しましょう。


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