2026/01/11

「院長の夢」が「私たちの夢」に変わった日 — 美容クリニックの未来創造ミーティング

札幌の美容クリニックで行った8時間の未来創造ミーティング。「指示待ち」だったスタッフが「自分事」として動き出し、売上だけでなく組織の空気が変わった。経営者の孤独を解消し、全員で未来を描く組織づくりのリアル。

上村啓太

2026/01/11

「院長の夢」が「私たちの夢」に変わった日 — 美容クリニックの未来創造ミーティング

札幌の美容クリニックで行った8時間の未来創造ミーティング。「指示待ち」だったスタッフが「自分事」として動き出し、売上だけでなく組織の空気が変わった。経営者の孤独を解消し、全員で未来を描く組織づくりのリアル。

上村啓太

私たちは、貴社のブランドが輝き、測定可能な事業成果をもたらす、高性能のマーケティング機能と自律成長組織の構築を専門としています。

6人で8時間向き合って見えた「私たちの未来」

札幌で「CMO代行と組織コーチング」を行っているVELET代表の上村啓太です。

一昨日、札幌市内のある美容クリニックで、朝9時から夕方18時まで、院長とスタッフ5名の計6名で「未来創造ミーティング」を行いました。8時間という長丁場。正直、最初は「こんなに長い時間、本当に必要なのか」と思われたかもしれません。

でも、終わってみれば、その8時間が6人の未来を変える起点になりました。

経営者は、本当は一人で走りたくない

多くの経営者が口にしない言葉があります。

「自分だけが先を見ている気がする」
「スタッフは言われたことはやってくれるけど、本当にこの未来を一緒に目指してくれているのだろうか」
「もしかして、自分だけが空回りしているんじゃないか」

この美容クリニックの院長も、最初はそうでした。

売上目標も、理念も、ビジョンも、すべて自分の頭の中にある。でも、それがスタッフの心に本当に届いているのか。共に歩んでいると言えるのか。そんな不安を抱えながら、日々の診療に追われていました。

実は、このクリニックには明確な課題がありました。

スタッフ間の連携不足。カウンセリングの質にばらつきがある。ヒアリングが浅く、提案が弱い。そして何より、トップダウンの指示待ち姿勢が染み付いていました。

「言われたことはやる。でも、それ以上は動かない」

そんな空気が、静かにクリニック全体を覆っていたのです。

経営者の孤独は、想像以上に深いのです。

前半4時間:「実力って、何だろう?」

未来創造ミーティングの前半、私はあえて売上の話も、目標の話もしませんでした。

まず全員に問いかけたのは、こんな質問でした。

「あなたにとって『実力』って、何ですか?」

最初は戸惑いがありました。実力なんて、売上で測られるもの。患者さんの数で評価されるもの。そう思い込んでいたからです。

でも、一人ひとりが自分の言葉で語り始めたとき、場の空気が変わりました。

ある受付スタッフは、こう言いました。
「私にとっての実力は、関わる人全ての可能性を引き出す力、です」

ある看護師は、こう語りました。
「私は、相手の空間を認めて、ちゃんと聴ける力だと思います」

売上でも、契約数でもない。自分たちなりの「実力の定義」が、その場で次々と生まれていったのです。

ここで大切なのは、評価軸が他者比較から自己基準へとシフトしたことでした。

「あの人と比べて自分はダメだ」ではなく、「自分はこういう実力を磨きたい」。そう思えたとき、初めて人は本音を語れるようになります。

そして、この半年の振り返りでは、個人の「過去・現在・未来」も棚卸ししました。

「実は、将来こんなことをやりたいんです」
「家族のことがあって、5年後のことは正直考えられていませんでした」
「このクリニックで、もっと患者さんに寄り添える仕事がしたいんです」

6人それぞれの「私」が、そこにありました。

仕事の場で、自分のプライベートな想いを語ることに、最初はみんな戸惑っていました。でも、院長が自分の想いを語り、スタッフ一人ひとりが心を開いたとき、「質問しやすい空気」「失敗を共有できる文化」が、その場に生まれ始めたのです。

これが、心理的安全性の醸成でした。

後半4時間:視座が変わった瞬間

後半は、クリニックの1年後、3年後、5年後のビジョンを描く時間です。

そして、ここで大きな変化が起きました。

あるカウンセラーのスタッフが、こう言ったのです。

「私、これまでずっと『施術を売る』ことが仕事だと思っていました。でも、違うんですね。患者さんの未来を一緒に描くことが、私の仕事なんだって、今日気づきました」

それまで、カウンセリングは「今日何をするか」を決める場でした。でも、この日を境に、このスタッフは「事前プランニング」を始めたのです。

患者さんが半年後、1年後にどうなりたいのか。そのために今日は何をすべきか。そんな視点で話すようになりました。

結果、半年プランや長期契約が、自然に取れるようになったのです。

これは単なるスキルアップではなく、視座の変化でした。

「お客様と同じ視点で話せるようになった」

その言葉通り、スタッフは「売る人」から「一緒に未来を描く人」へと変わっていったのです。

連携が生まれた、本当の理由

もう一つ、大きな変化がありました。

受付と看護師の連携が、劇的に強化されたのです。

それまでは、受付は受付、看護師は看護師。それぞれが自分の役割をこなすだけで、カウンセリング後に「あの患者さん、どうだった?」と話し合うことはほとんどありませんでした。

でも、この日を境に、スタッフたちは自発的に意見交換をするようになりました。

「さっきの患者さん、こんなこと言ってたんです」
「だったら、次はこういう提案をしてみたらどうでしょう?」

こうした会話が、自然発生的に生まれ始めたのです。

なぜか。

それは、全員が「私たちの実力」を共通言語として持ち、「私たちの未来」を自分事として捉えるようになったからです。

共通言語が生まれると、壁がなくなります。

受付も看護師もカウンセラーも、みんな同じ未来を見ている。だから、自然に助け合える。自然に提案し合える。

そして、この連携が生まれたことで、スタッフ一人ひとりのモチベーションも上がりました。

「もっと患者さんと話したい」
「もっと良い提案がしたい」

そんな意欲が、場の空気を変えていったのです。

数字の先にある「ありたい姿」

もちろん、経営において数字は重要です。売上目標、利益率、患者数。それらがなければ、クリニックは続けられません。

でも、数字だけでは、人は動きません。

「なぜ、その数字を達成したいのか」
「その先に、どんな未来があるのか」
「私たちは、何のために働いているのか」

その問いに答えられたとき、初めて数字が「自分事」になります。

このクリニックの皆さんは、8時間かけて、その答えを見つけました。

売上目標の先にあるのは、もっと多くの患者さんに喜んでもらえる施術メニュー。新しい機器の導入。スタッフ一人ひとりが成長できる環境。そして、「ここで働けて良かった」と心から思える組織。

最初はバラバラだった夢が、対話を重ねるうちに、一本の線でつながりました。

「私たちって、結局『患者さんが心から笑顔になれる場所』を作りたいんですよね」

その言葉が出たとき、6人全員がうなずきました。

売上も、技術も、働き方も、すべてはその一点に向かっていたのです。

数字は、手段です。大切なのは、その先にある「ありたい姿」なのです。

全員が「自分事」として動き出す組織へ

ミーティングが終わったとき、院長がこう言いました。

「今日、初めてスタッフ一人ひとりの想いを知りました。そして、私の想いも、やっと伝わった気がします」

そして、院長はこうも語ってくれました。

「一人で走るのは、もう終わりにします。これからは、みんなで走ります」

スタッフの一人も、こう語ってくれました。

「これまでは、院長の夢を手伝っている感覚でした。でも今日、それが『私たちの夢』になりました」

これが、愛と信頼の組織の始まりです。

経営者が一人で走るのではなく、全員が「自分事」として未来に向かって動き出す。それは、8時間という時間をかけて、お互いの心を開き、想いを重ね合わせた先に生まれるものなのです。

成果は、もう出始めている

この未来創造ミーティングから数日。

すでに、目に見える変化が現れています。

あるスタッフは、事前プランニングを徹底することで、半年プランや長期契約を獲得し始めました。患者さんと同じ視点で話せるようになったことで、提案の質が劇的に上がったのです。

受付と看護師は、カウンセリング後に自発的に意見交換をするようになりました。この連携が、お互いの安心感とモチベーション向上につながっています。

そして何より、スタッフから「もっと話したい」という声が上がるようになりました。プラスαの提案(内服薬の提案など)も、自然発生的に生まれています。

これらは、定量化しづらい成果です。でも、組織の健全性を示す重要なサインなのです。

見えない成果が、見える成果の土台になっている。

売上や契約数という「見える成果」は、実は「もっと話したい」「もっと良くしたい」という「見えない成果」から生まれているのです。

この変化は、続く

ここで大切なのは、この成果が一過性のものではない、ということです。

なぜなら、このクリニックには今、共通言語が生まれたからです。

「実力とは何か」を自分たちで定義した。「私たちのありたい姿」を自分たちで描いた。その言葉が、今も組織の中で生きています。

そして、これからも定期的に振り返りの場を設けることで、この文化は定着していきます。

マニュアルを徹底することではなく、対話を重ねること。指示を出すことではなく、問いかけること。

そうして生まれた文化は、簡単には壊れません。

仕組み化ではなく、文化の定着。それこそが、組織力向上の本質なのです。

あなたの組織は、未来を共有していますか?

ここで、あなたに問いかけたいことがあります。

あなたのスタッフは、自分の「実力」をどう定義していますか?

最後にスタッフ全員と本音で語り合ったのは、いつですか?

あなたは今、一人で走っていませんか?

もし今、あなたが孤独を感じているなら。
もし、スタッフとの間に見えない壁を感じているなら。
もし、自分だけが空回りしている気がするなら。

それは、あなたが間違っているわけではありません。

ただ、「未来を共有する時間」が足りていないだけかもしれません。

8時間は長いかもしれません。でも、その8時間が、組織の未来を変えることもあるのです。

ある美容クリニックの6人が、朝9時から夕方18時まで向き合って見えた「私たちの未来」。それは、愛と信頼がベースにあるからこそ、生まれたものでした。

あなたの組織にも、きっと同じ未来が待っています。

ただ、その扉を開くには、少しの勇気と、たっぷりの時間が必要です。

一人で走ることをやめて、みんなで走る組織へ。

その一歩を、今日から踏み出しませんか?


「未来創造ミーティング」について

今回ご紹介した未来創造ミーティングは、VELETが提供する組織コーチングサービスの一環です。

経営者とスタッフが8時間かけて向き合い、「実力の定義」「個人の過去・現在・未来」「組織のビジョン」を言語化することで、指示待ち組織から自走する組織への変革を支援します。

こんな経営者の方におすすめです:

  • スタッフとの間に見えない壁を感じている

  • 自分だけが空回りしている気がする

  • 売上は上がっているが、組織の一体感がない

  • スタッフの主体性を引き出したい

詳しいサービス内容は、こちらをご覧ください。

未来創造ミーティング サービス詳細

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